SHADY GROVE〜恋は突然に〜

シェイディー・グローブ?恋は突然に? [DVD]

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なんか文字化けしてるけどまあいいや。
登場人物の名前が虞美人草の登場人物の名前のもじりなんですね、全部。で、部分的に境遇もかぶってる。でもその設定はあまり活かされてなくて、普通の映画です。有名な俳優が出ているわけじゃないし、ドラマチックな展開があるわけじゃないし、誰かが死ぬわけじゃないし、いたって普通。だから虞美人草のベースがなくても作れた映画だと思うんだけどな。藤尾の行動が少しストーカーちっくで、「そんなロン毛のどこがいいんだー!」と叫びたくはなります。あと、甲野さんの生き様生活ぶり語り口が小説そのものでにんまりしてしまいます。個人的には酔っ払った甲野さん(ARATA)がつぶやく「寝てないヨ?」が非常にかわいくて参りました。小説の甲野さんはこんなこといわねえ!!そしてもっと哲学者ちっくで小難しい感じの人です。でもARATAさん=甲野さんっていうのはドンピシャなので許す!(ARATA好きな女性の方はぜひぜひご覧ください。この人はピンポンのスマイルだけで終わっちゃじゃもったいねえ)そして宗近君役の男の人も気に入りました。映画全体のふわふわした感じも気に入りました。ナレーションの人も好き。ラストシーンのナレーションは思わず2回見てしまったよ・・・はまりそうです。わわわ。こういうの好き。


あ、あと、使われてる音楽がなかなか幅広くて、でもすべていい感じで、この監督さんってどういう音楽の聴き方してるんだろう、と思わされたりもしました。
あとは小野さんが夏目漱石の千円札をいじるシーンとか、とにかく細かいところが面白い。
気になった人はネット上に感想文がたくさん落ちてるので、探して見てください。たぶん映画も見たくなるし、虞美人草も読みたくなる。

見た直後はちょっと印象が薄いんだけど、しばらくしてからいろいろ思い出してふか読みしてかみ締める。脚本家は小説上は(義)兄弟である甲野さんと藤尾に正反対の要素を見つけこの二人こそ御似合いだと感じたことからこの映画が始まったんじゃないか・・・とかあの時藤尾が小野さんについていったらそうなっただろう、とかあの森のロケ地ってどこだろう、とか現実と幻想が錯綜してるぞ、とかいろいろ考えちゃって。

うーん、変わった余韻のある映画ですな。
あーっっ、一週間で借りてくればよかった・・・あと2回くらい見たい。