Sweet

Sweet

Sweet

シカオちゃんといえば「あまい果実」。
ちなみにこのアルバムジャケットはシングルとリンクしている。
あまい果実

あまい果実

<あまい果実みたいに ぼくの中で熟しているんだ>
大学生になってスガシカオのアルバムを全部買った。
中古では売っていなかったから、全部新品で。
初めて聞いたときは「あまい果実」はとても美しい曲に思えて、
シカオちゃんの曲で一番大好きになった。
恋してしまったときのどうしようもない感情、
しかもそれが相手に伝わらないときの行き場のない焦燥感が
巧みに描き出されていると、思っていたのだ。


でも今日久しぶりに聞いていたら、違った。
こいつはなんて身勝手なんだろうって思った。
テレビを見ながら電話をしていると「その部屋に誰か、他にいるんじゃないのかい?」
いないよ、と言っても、「どうしてそんなに大事なことを僕に隠そうとする?」隠していないのに。
なのにふたこと目には「したたり落ちそうなくらいに君への想いはあふれているのに」とか、言う。
…そんなに好きならどうして信じられないんだろう?


そう、いつの間にか、歌の主人公の側から、思われている相手のほうの立場で
聞くようになっていたのだ。


それでもこの曲の美しさが変わるわけじゃないけどね。

この曲は嫉妬とか不信感とか
そういう美しくない感情を詩に載せた
とても美しいメロディ。


このアルバム全体が
美しいメロディと
美しくない人間の感情で
構成されていて、とても美しい。


美醜併せ持つからこそ美しいのかも。