青い車
- 出版社/メーカー: ジェネオン エンタテインメント
- 発売日: 2005/06/24
- メディア: DVD
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今回の役どころはレコード店に勤める白髪の若者・リチオ。ほんとなんでもやってのけますよね。
人間の心の弱さ、トラウマ、秘密。リチオは持っている。この映画全体がリチオのエゴと心の弱さで覆われている。
リチオはアケミと付き合っている(がそれほど円満ではない)、その一方でアケミの妹のこのみに会うし、関係も持つ。しかし、人には言えないトラウマにさいなまれていて、アケミにもそのことは言えずにいる。
リチオは弱い。自分を守るために人に辛く当たることもある。自分だけで辛さを解決したくて、リストカットをする。
(まあ弱さの具体例はいろいろあるんだけど、割愛)
でも実際現実なんて聖人君子みたいな人よりリチオみたいな人ばっかりなんじゃないのか?弱いけど、そのまま生きていくんだ。
アケミが死んで、このみは辛い思いをする。リチオの知らないところで、リチオのエゴのせいで、このみは辛い想いをする。
このみはリチオを責めるのではない、自分を責めるのでもない。ただ、姉に対する後悔の思いがある。「俺が何とかするから」とリチオはこのみに言う。(個人的には、これは気休めに過ぎないと思う。また弱い部分が出た)
救いはない、解決もしない、死人は帰ってこない。ただ曽我部恵一の音楽だけが、映画を包み込む。
サントラ1枚ください。